ロータリー式充填機とは、液体の中でも粘体物を充填したいときに使われる充填設備です。ここでは、ロータリー式充填機の概要や仕組み、メリット・デメリットを紹介します。
ロータリー式充填機は、ポンプ室内に2つのローターを配置し、その容積変化で充填物を送り出す構造になっています。
ポンプ部が取り外し可能なものが多く、洗浄や品種替えを簡単に行えるようになっているのが特徴です。
ロータリー式充填機はケチャップやマヨネーズなどの粘性の高い液体からサラサラとした液体まで幅広く充填できるため、主に食品工場向けに出回っています。
醤油やソースのほか、粘性のあるたれやマヨネーズなどの調味料を充填する際に使われます。
ただし、液体の流動性や粘性、温度管理は食品によって変化するため、使用する場合は製品の安全性を確認することが大切です。
通常の液体ポンプでは移送しにくい、とろっとした粘体物を充填しやすいのもロータリー式充填機の特徴です。プリンやジャムなどをプラスチックや瓶などの容器に充填する際に適しています。
水や酢、カフェオレ、飲むヨーグルトなど、粘性の低いサラサラとした液体もロータリー式充填機で充填できます。手元で操作できるノズルを設置できるタイプであれば、充填後にポタポタと液体が垂れるのを防止できます。
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高粘度な液体の充填に向いているロータリー式充填機を利用すると、以下のようなメリットを得られます。
充填物の粘性や移送する容器によってノズルを選定できるため、容器の奥までノズルを差し込むことができます。形状の定まらない袋タイプへの充填に適しています。袋の中に空気をなるべく入れたくない場合も最小限に抑えられます。
ポンプの中に設置されたローターが回転して充填物を押し出すため、早く充填できる特長があります。マヨネーズやジャムのような粘性の高い液体も、スピーディーに定量充填することが可能です。
とろみのある液体をスピーディーに充填できるロータリー式充填機ですが、構造上のデメリットも存在します。
充填機本体とローター軸が接触している部分に摩擦が起こらないよう、ロータリー式充填機には軸受というパーツがありますが、定期的に交換しないと軸と本体の隙間から充填物が漏れ出すリスクがあります。
充填物が漏れ出すとベアリングや樹脂製カラーなど他の部品にも影響を及ぼす可能性があるため、こまめなメンテナンスやパーツ交換が必要です。
充填物の漏れを防ぐオイルシールや軸受などのパーツを交換せずに長い間使用していると、ベアリングや樹脂製カラーといった部品の破損につながります。破損した部分から異物が混入するおそれがあるため注意が必要です。
充填物の漏れ出しに気づいたら、すぐにオイルシールや軸受を交換しなくてはなりません。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)