チューブポンプ式充填機とは、柔軟なチューブをローラーで押しつぶして液体を移送し充填する設備です。ここでは、チューブポンプ式充填機の概要や仕組み、メリット・デメリットを紹介します。
チューブから吸い上げた充填物を、ポンプで移送しながら充填します。チューブを加圧することで液が移送されて容器に充填される仕組みとなっており、精度の高い充填ができるのが特徴です。
接液部はチューブとノズルのみのため取り扱いが容易で、洗浄や品種替えも簡単に行えます。
チューブポンプ式充填機はチューブの取り替えが容易な上、粘性の高いものから低いものまで幅広い液体を充填できます。
チューブポンプ式充填機は、醤油やたれ、ソースなどの調味料を充填する際によく使われます。ただ、食品を充填するには安全規格やガイドランを満たしている必要があります。
また、食品によっては流動性や粘性、温度管理などが変化するため、安全に設計された製品かを考慮することが大切です。
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チューブが吸い上げられれば、粘性の高いものも充填できる点がチューブポンプ式充填機の魅力です。ジェルやローションなどのとろみのある液体やクリーム、グロスなどの充填にも向いています。
チューブポンプ式充填機は、クリームや軟膏などの外用薬や歯磨き粉などの医薬品を充填する際にも使われています。医薬品は患者の健康に直接影響する充填物のため、充填機だけでなく製造ライン全体で高い安全管理が求められます。
接着剤やシーリング材などの工業・化学製品もチューブポンプ式充填機の得意分野です。特に自動車などの産業で使われるため、充填物には耐久性や耐腐食性が求められますが、材料に合わせて特殊な設計を行えば充填できるようになります。
チューブを交換するだけで良いので、メンテナンスに手間がかかりません。充填機によってはポンプ本体の分解洗浄が不要なものもあり、チューブを洗浄するだけで再び使えるようになります。作業後の片付けが簡単なため、作業の時間短縮とコスト削減にもつながります。
チューブを取り替えるだけで良いので充填物の変更が容易です。1台で複数の液体を充填したい場合や異なる液体の送液を1度に行いたい際にもぴったり。大量生産の製造ラインよりも多品種少量生産の工場に向いています。
ローターでチューブをしごきながら充填物を移送しているチューブポンプ式充填機。しごかれる部分のチューブが劣化してしまうと、どうしても生産速度や精度が低くなってしまいます。チューブのへたりで稼働停止までとは行かないまでも、性能ダウンによるトラブルに発展しかねないため注意が必要です。
送液量が一定のため、ほぼ均一な量の充填ができると言われているチューブポンプ式充填機。しかし、劣化によってローラーがチューブから離れてしまう症状には注意しなくてはなりません。
チューブが開いてしまうと、押し潰していたときの反動で吸い込みが発生します。すると、チューブポンプが脈をうったように普段とは違う動きをすることがあります。これを脈動と言い、製造業における長年の課題となっています。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)