たとえば香水には、香料を溶かすためにアルコールが使われることがあります。香りを広げたり、成分を安定させたりするために、香料にアルコールが加えられるケースもあります。ここで注意しなければならないのが、アルコールは引火しやすい性質を持っている点です。このように、香料用の液体充填機の場合アルコールを含む製品を取り扱うことがあるために、防爆仕様が求められます。
充填を行う際に正確な計量が求められます。そのため、このような充填物を扱う場合に用いる液体充填機は、高精度なセンサーやシリンダーなどを用いて設定された容量を充填していきます。特に高価な香料を扱いたい場合には、充填量のブレをなくすことでロスを防げます。また、微細なノズルを使用して、液だれを防ぎます。
液体充填機を導入すれば、製品品質が均一化できます。手作業で行う際に起こりがちな計量ミスや液こぼれがなくなるため、製品を規定量で美しく仕上げられます。また機械を使用して自動充填を行えば、雑菌や異物の混入リスクを大幅に低減でき、特に品質基準が厳しい分野においてはメリットがある部分であるといえます。また、清掃のしやすい充填機を選択することによって、香りが移ってしまうことを防げます。
これまで手作業で行っていた作業を、充填機に切り替えることによって作業スピードを飛躍的に高められるため、大量生産を可能にできる点も大きなメリットといえます。作業にかかる時間と人件費を大幅に削減できます。そして、季節やトレンドに合わせて多品種小ロットの生産を行いたい、という意向がある場合でも、部品交換や設定変更をスムーズに行える機種を選択することで、作業時間の短縮を行えるため、柔軟・無駄のない生産体制とすることができる点もメリットです。
香料用の液体充填機を選択する場合には、必要に応じて防爆仕様の製品を選ぶことや、香りの強さや粘度、泡立ちやすさなど、充填物の特性、容器の形状・容量に合っているかを確認することが重要です。さらに、香り移りを防ぐため洗浄のしやすさや、将来的な生産規模を想定した処理速度を考慮して、自社のニーズに合わせた充填方式の機器を選択することが大切です。
こちらでは、香料用液体充填機の事例や対応例などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
液体の充填を行う際に、ガラス分注器を使用して充填を行っている事例です。こちらの充填機の特徴は、ガラス製のシリンダーに取り込んだ液体を押し出した量によりコントロール可能な点であり、充填機のブレが小さいため精度よく分注が可能である点が挙げられます。さらに構造がシンプルなのでメンテナンス・洗浄を行いやすく、香りの移りの防止、衛生面にも優れているといった面が挙げられます。
参照元:株式会社プラネット(https://planets.gr.jp/blog/3041/)
高精度の重量式充填機をするケースもあります。たとえば入味誤差±0.3gの高精度重量式充填機であれば、研究や試験用として使用可能。また、ノズル先端が充填液に浸からないように設計されているため、衛生面でも優れています。さらに、液だれを防止として充填後にノズル先端の液を引く構造になっていることから、容器を汚すといったこともありません。
参照元:日本トップノズル株式会社(http://www.topnozzle.co.jp/product/filling.html)
食品や油分を含む液体の充填を行う際には、どのようなホースを使用するのかがポイントになってきます。ある事例では、従来固いテフロンチューブを使用していたことから作業性に苦労していたものの、耐油性・耐圧性能があり、食品衛生法合格品、ホースの香り移りやホース内面の平滑性、洗浄性なども含めクリアしているフッ素ホースに変更しています。
シリンダーの内部に液体を吸い込み、容器に対してピストンで押し出し充填を行う方式です。構造が複雑ではあるものの汎用性が高く、多くの充填ラインで使用されているタイプの充填機です。精度が高く、生産速度も非常に早い点が特徴です。水のような低粘度の液体から、シャンプーやクリームのような高粘度な液体まで幅広い対応が可能です。
チューブポンプ充填機は、弾力性のあるチューブをしごくことによって液体を押し出し、充填を行う方法です。いくつか種類がありますが、「ベリスター式」とはステンレスローラーの回転によってチューブを潰すことによって液剤を送り出すという方法です。また、ピストン式や重量式のように、液の流れを止めるバルブは使用していません。
ロータリーポンプを制御することにより、高い粘度から低い粘度まで幅広い液体の安定輸送や充填を行うことができる充填機です。また、さまざまな容器仕様に合わせることができます。
容器内部を真空の状態にして、その吸引力を利用することによって液体を引き込む方式です。主に酸化を防ぐ目的で利用されていますが、食品業界のほか、化粧品や医薬品といったように、酸素との接触によって劣化するおそれがある製品にも使用されます。酸素を取り除く形で充填を行えますので、品質の安定化を図れます。
荷重センサーを搭載しているため、充填物の重さを測りつつ充填ができる方式です。充填を始めるとともに重量の計測がリアルタイムで行われ、充填料に達する前に充填が完了するという仕組みになっています。一定重量を充填できる点が大きなメリットとなっており、内容重量表示を行って販売する液体の充填を行うのに向いています。
こちらの記事では、香料用液体充填機の特徴や導入メリット、充填方式についてまとめてきました。導入により一定の充填が素早くできるようになることや、生産速度の向上などが期待できるといったようにさまざまなメリットがあります。ただし、防爆仕様が求められるケースがありますし、複数の充填物を扱うような場合には香り移りが防げるように簡単に洗浄ができる充填機を選択することが大切です。
以下の記事では、工業製品向けの液体充填機を紹介しています。香料のほか、界面活性剤やアルコール除菌液、洗剤などさまざまな製品向けの充填機について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)