液体の内容物を別の容器へ充填させる液体充填機は、オイルなどの粘性のある内容物を計量しながら充填したいときにも便利です。
粘性のある液体を充填する場合、液だれや詰まり、泡立ちを起こさないようにできるかが大切。オイルの粘度や充填する容量、生産量に合わせた液体充填機を選べば、大量充填から少量充填まで効率よく行えます。
ピストンでシリンダー内の充填物を吸引して一旦留め、容器の上で弁を開けて充填するタイプの充填機です。構造が複雑なぶん性能が高いため、様々な液体の製造ラインで活用されています。ピストンによって吸出と押し出しを行えるので、オイルやジャムなど粘性のある液体にも適している充填機です。ただ、複雑な構造がゆえに分解や洗浄が難しく、専門知識が必要な場合があります。
ポンプ室内に2つのローターを配置し、その容積変化で送りだす構造の充填機がロータリポンプ式です。通常の液体ポンプでは移送できない粘性のある物の充填に向いています。
多くが液体を注入するヘッド部分を取り外せるようになっており、洗浄が簡単です。大容量の内容物を高速で充填できるタイプや回転数を制御しながら充填できるものがあります。メーカーによってはタッチパネルで操作できるものやコンパクトな卓上タイプもあり、様々な特徴を備えています。
オイルのような普段は泡立たない液体であっても、充填時にポンプを使用することで圧力が変動し、泡立ちが起こる場合があります。泡立ちによって製品の品質が左右され兼ねないため、制御できるかは重要です。速度を自在に変えられる充填機であれば、生産スピードは多少遅くなるものの、充填中の泡立ちを抑えられます。
液体を下から吸い上げて一度留める充填機の場合、液だれを防止する機能が付いています。ノズルの先端にストップ弁を設けられるものであれば、液だれによる原料のムダを抑えられるほか、液だれが発生するたびに止まっていた生産ラインの課題も解決できます。
オイルとひと口に言っても、食用から工業用まで様々で、内容物の特性には違いがあります。オイルを充填したいなら、粘度や特性に合わせた液体充填機を選ぶべきです。ただ、充填機によっては分解や洗浄に専門知識が必要なものもあります。充填するオイルの特性や生産量に応じて適切なアドバイスができる、液体充填機に詳しい専門家に相談した上で決めましょう。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)