充填機とは、液体や粉末、ペースト状の物質を容器に正確に充填するための機械です。製品を効率よく、そして高精度に充填するために、多くの産業で使用されています。
その構造を知っておくことで、導入する際にどれを選べば良いかも判断しやすくなるでしょう。
液体充填機は、瓶や缶、ペットボトルなどの容器に液体を一定量注入する機械です。日常で使用される多くの製品、例えばミネラルウォーターや調理油、洗剤などが液体充填機を通じて容器に詰められています。液体充填機は、私たちの生活に欠かせない存在となっており、製造業の効率を向上させています。
液体充填機には、全自動充填機と半自動充填機の2つの主要なタイプがあります。全自動充填機は、容器の搬送から充填、そして最終的な梱包まで、全ての工程を自動的に行います。これに対し、半自動充填機は容器の搬送こそ自動で行われますが、充填の開始や一部の操作は手動で行います。用途や生産規模に応じて、適切なタイプを選びましょう。
液体充填機は、いくつかの部品によって構成されています。
まず、ホッパーは液体を一時的に貯める役割を果たします。そこからポンプを通じて液体が充填ノズルに送られ、容器に注入されます。充填ノズルから液体が所定の重量または容量に達すると、シーケンサーが信号を送り、充填が自動的に停止。この流れを繰り返しながら、液体充填機は大量の充填作業を正確かつ迅速に行います。
液体充填機は、食品業界でも広く使用されています。特に近年では、粘度の高い食品、例えばプリンやゼリー、ドレッシングなども、液体充填機で充填することが可能です。
食品に液体充填機を使用することで得られる大きなメリットの一つは、異物混入のリスクを低減できる点です。手作業で充填を行うと、髪の毛や服の繊維などの異物が混入するリスクが増します。自動化された液体充填機を使用することで、このようなリスクを軽減できます。もちろん、充填後の製品検査や定期的な機械のメンテナンスは欠かせません。
液体充填機には、以下のような種類があります。
重量式充填機は、充填物の重量を計量しながら正確に充填を行う機械です。重量式充填機の特徴は、容器自体の質量に左右されず、充填する製品の正味重量を管理できる点です。これにより、充填後のデータを記録し、品質管理に役立てられます。
ペリスタ充填機は、シリコンチューブを使って液体を送る方式です。ローラーがチューブを圧縮し、回転数を調整することで、正確な量の液体を容器に注入します。液体が触れる部分はチューブのみであるため、衛生的で洗浄が容易な点が特徴です。
粘体充填機は、シャンプーやローションなど、粘度の高い液体を充填するための機械です。液体充填機と同様、容量式充填機や重量式充填機が使用されます。
容量式充填機は、ピストンを使用して液体を吸引し、その後容器に充填する方式です。容量式充填機の特徴は、非常に高い充填精度とシンプルな構造にあります。そのため、多くの生産ラインで活用されています。
粉末充填機は、小麦粉や洗剤などの粉末状の製品を充填する機械です。代表的な方式には、オーガー式、マス式、アコフィル式があります。
オーガー式充填機は、スクリューを使って粉末を送り出し、充填を行います。スクリューの回転量によって充填量を調整できるため、非常に便利で、多くのラインで使用されています。
充填機は、液体や粉末、ペースト状の物質を容器に正確に充填するために欠かせない機械です。液体充填機、粘体充填機、粉末充填機など、それぞれの充填機は異なる製品に特化しており、それぞれの構造や仕組みによって精度や効率が向上しています。
これらの充填機を効果的に活用することで、生産の自動化と品質の向上が実現可能です。製品に合わせて適切な充填機を選び、メンテナンスを行うことで、長期にわたって安定した生産が期待できます。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)