液体充填機の性能を常に十分保つためにも、日常的に定期メンテナンスを行うことが大切です。このページでは、液体充填機のメンテナンスについて詳しく解説しています。
液体充填機は便利なシステムですが、一方で定期的に機器の稼働状況や製品の状態をチェックしなければ、予期せぬタイミングで異物が混入していたり、製造ラインが汚染されていたりといったリスクが増大します。
もしも異物混入などのトラブルが発生してしまうと、大量の商品が回収・廃棄対象になってしまい、莫大なロスが生じかねません。
定期メンテナンスにはコストや時間もかかりますが、結果的に企業の信頼性を維持して健全な経営を維持することへつながります。
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液体充填機を常に清潔な状態に保って、衛生的な環境下で製造ラインを稼働させるには、常日頃から液体充填機を適切な方法で洗浄することが不可欠です。
とはいえ、液体充填機の洗浄方法は機器の種類や形状によっても異なっており、それぞれにとって正しい洗浄方法を把握しておかなければ意味がありません。
ここでは液体充填機の種類ごとに洗浄方法や注意すべきポイントを解説していますので、日常のメンテナンスを行うための参考にしてください。
液体充填機をしっかりとメンテナンスして、機器を良好な状態で使用することは、製品の品質管理として重要なだけでなく、機器の寿命を延ばすことにもつながります。
しかし、液体充填機のメンテナンス方法は機器の種類や特性に応じて選択しなければならず、誤った方法でメンテナンスを行ってしまうと余計なトラブルを招きかねません。
まずは液体充填機のタイプに応じたメンテナンス方法を把握しておき、作業手順を共有しておくことが大切です。
どれだけ高性能な製品でもそれが機械である以上、不具合や故障のリスクをゼロにすることはできません。
一方、液体充填機は機械製品であるからこそ、全く問題のない状態から突然に大きなトラブルが生じる可能性は低いともいえます。
液体充填機のトラブルは、問題が悪化する前から何らかの予兆が現れていることもあり、違和感を抱いた際は直ちにチェックすることが重要です。
液体充填機のトラブル例や注意すべき前兆についてまとめました。
これって故障?よくある液体充填機のトラブル
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液体充填機の使用において、特に注意すべきことの一つとして挙げられるのが、カビの発生です。
カビはさまざまな悪影響をもたらすため、発生させないようにHACCP対策をしっかりと行う必要があります。
具体的な対策方法についてまとめました。
人の健康や生命に直接影響を与える医薬品の製造では、法令によってバリデーションの実施が義務付けられています。
液体充填機はもちろん、製造所の設備や製造手順・工程、製造管理や品質管理の方法まで、すべてのプロセスで一貫して高品質な製品を製造できるかを検証し、文書化しなくてはなりません。液体充填機の導入前に、しっかりと知識を備えておきましょう。
【医薬品】液体充填機におけるバリデーション
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IoTやAI技術の進歩により、様々な産業で自動化が進められる現代。特に、5Gによる無線通信が登場して以降、製造業における工場のDX化は加速し、設備インフラだけでなく制御・管理にわたるまで、幅広いプロセスで自動化が進められています。
メンテナンスにおいても同様です。完全自動化とはいかないまでも、液体充填機を含めた工場設備では、部分的なメンテナンスの自動化が可能となっています。
メンテナンスを自動化すると、高速化により液体充填機の稼働率向上が見込めます。これにより、製造現場全体での生産の高速化や生産能力の向上を実現できます。特に半自動システムの場合、操作の複雑さが少ないことから人による手間もかかりません。少ない人員であっても生産性の向上が期待できます。
自動化によって、目視による確認を行わなくても充填量や温度などを把握できるようになります。これにより、品質管理やトレーサビリティが実現します。また、品質情報をリアルタイムにモニターへ表示し、異常時の警報を設定すれば、トラブル時の担当者への通知も迅速になります。
自動で収集したデータをシステムと連携すれば、製造現場の監視や制御などの現場監視に利用できます。充填機の状態をリアルタイムに監視モニターに表示できるため、遠隔から即座に異常発生を把握し、迅速に対応できるようになります。
人による巡回が基本だった保全業務も1箇所で集中管理できるため、人員削減にもつながります。
部分的とは言え、製造プロセスの多岐にわたって自動化が進められています。
ここからは、一部の液体充填機に備わっている設備管理やメンテナンスの自動化の一例を紹介します。
液体充填機の洗浄作業を自動で行う機能です。人の手を介さず充填ラインを常に清潔な状態を保てるため、洗浄作業に人員を割く必要がありません。従業員は、他のコア業務に集中できるようになります。
食品や薬品など様々な液体に対応できることから、衛生管理が求められる化粧品の製造現場などで導入されています。
液体充填機とデータ管理ソフトを連携すれば、充填データの収集や分析ができます。収集したデータは、生産性向上のための傾向把握や品質管理の強化、トレーサビリティの向上、予知保全など、様々なプロセスで活用できます。データの持ち出しも可能で、離れた工場や事務所内での計量管理も可能です。
中には、データキャリアとの組み合わせで防爆エリアでも充填結果のデータを取り出せる液体充填機もあります。
設備の稼働状況をリアルタイムに把握し、異常状態を早期に発見できます。生産の進捗確認も行えるため、進捗率を把握して生産性の向上にもつなげることが可能です。
監視システムの中にはタブレットからの遠隔監視が可能なものもあり、場所を選ばず管理できます。製造現場から離れた場所から管理を行う際や複数の工場で製造を行っている際に重宝します。
液体充填機の管理メンテナンスは、一部自動化が進められています。しかし、機械の物理的な劣化の確認や複雑な修理、予期せぬトラブルなどには対応が難しく、依然として人の手が必要な現状です。
現在、液体充填機に導入されているのは部分的な自動化ですが、稼働率を高められる、品質管理を強化できるメリットがあります。人間の専門知識や技術を組み合わせた柔軟なメンテナンス体制の構築が、品質・生産性向上のカギと言えるでしょう。
現場の不具合や事故を未然に防ぎつつ液体充填機を安定して稼働させるには、点検業務が欠かせません。しかし、ひと口に「点検」と言っても様々な種類があり、点検の頻度やタイミングも異なります。
機器の寿命を少しでも長期化してコストを抑えるためにも、点検業務の基礎から学び、適切な時期にメンテナンスを行える体制を整えましょう。
液体充填機をはじめとする工場設備の点検には、大きく分けて「法定点検」と「自主点検」の2種類があります。
法定点検とは、労働安全衛生法や消防法、ガス設備事業法などの法律に基づいて行われる点検のことで、該当する設備は必ず法定点検を行わなくてはなりません。
一方、自主点検は、企業や事業所が定めた基準や項目に則ってチェックシートなどを用いて定期的に実施する点検です。そのため、点検の頻度やタイミングは各企業によって異なります。
液体充填機の場合は法定点検の対象ではないため、点検業務は各企業や事業所が自主的に行うのが一般的です。
企業や事業所は、工場で働く従業員の安全を守る義務があるため、事故を未然に防がなくてはなりません。人的被害リスクを軽減するためにも点検業務は重要です。
定期的な点検によって液体充填機の不具合を発見できれば、事故を防止するのに役立ちます。また、点検を通じて設備機器の劣化に気づけるようになり、事故や不具合が起こる前に対処できます。それにより、製造現場全体の安全性を高められます。
液体充填機が故障してしまうと充填ラインが止まるため、当然工場の生産性に直接影響します。故障してしまってから修理していては稼働していない間のロスも発生するため、効率的とは言えません。
点検業務を継続的に実施することで、液体充填機の故障を未然に防ぐことができます。予期せぬ生産停止リスクを回避できるため、製造現場の安定稼働を維持できます。思わぬトラブルによる稼働停止を防ぐためにも、定期点検のみならず日常的な点検も重要な業務です。
液体充填機が故障すると、不良品が発生するリスクが高くなります。万が一、不良品が市場に出回ってしまった場合、消費者や取引先に対しリコールや謝罪などの対応が必要です。
すると、製造現場の生産性は低下してしまいます。それだけでなく、企業の信頼を大きく損ねてしまう結果にもなりかねません。
点検によって設備の故障や不具合を抑止できれば不良品の発生を防げるため、品質の安定につながります。高品質な製品の供給は、顧客満足度向上にもつながります。
点検業務には、一般的に日常点検(作業前点検)と定期点検があります。
日常点検とは、その名の通り日常的に行う点検で、作業前点検とも呼ばれます。原料に間違いがないかなど、目的の製品を製造するために実施されることが一般的です。
液体充填機メーカーによってはアフターフォローやオプションとして、点検サービスを行っています。ただし、点検の頻度は各企業によって異なるため、導入前にサポート体制を確認するのがおすすめです。
液体充填機の点検業務は、企業側の基準に応じて行われる自主点検です。
ただし、業界や製品の特性に応じて、より厳格な点検基準が適用される場合があります。また、製造ラインの一部として液体充填機を使用する場合、他の機器との連携も考慮した点検が必要です。
液体充填機を導入する際には点検業務に関する法令や業界基準を確認し、適切な点検体制を構築しましょう。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)