カップ容器やスパウトパウチ、瓶などに連続充填が必要なゼリー状の製品。温度が熱いうちは液状でも、液体が冷えたときにゼリー状になる製品もあり、耐熱性が求められることも多い液体です。
そんなゼリー状の製品には、耐熱チューブで吸い上げて充填するチューブポンプ式や重さを測りながら定量充填できるウエイト式の液体充填機が向いています。
チューブから吸い上げた充填物を、ポンプで移送しながら充填する液体充填機です。液体はポンプの圧力で吸い上げられるので、液体よりも粘度のあるゼリー状の充填に向いています。
チューブポンプ式充填機の接液部は、チューブとノズルのみです。そのため取り扱いやすく、洗浄や品種替えが簡単に行えます。耐熱チューブに取り替えれば、温度が熱いうちに液体を充填することも可能です。ただし、食品ゼリーの場合は温度管理が必要なため、設計面で安全に配慮されているかを確認することが大切です。
荷重センサーが搭載された秤(はかり)を利用して、充填物の重さを計りながら充填する液体充填機です。充填開始と同時にリアルタイムで計量する仕組みになっています。
液体の温度や比重を問わず充填できるため、内容重量表示で販売することの多いゼリー状の液体の充填に向いています。容器の質量誤差による影響も受けにくく、充填ロスを抑えられる点もメリットのひとつです。
ゼリー状の製品を製造する際に液体充填機を導入すると、以下のように様々なメリットを得られます。
ゼリー状の製品を高速で充填できるため、生産効率がアップします。チューブポンプ式充填機の場合、ポンプの圧力でチューブ液体が吸い上げられるので、手作業と比較してより大量に生産することが可能です。ウエイト式充填機を導入する場合は充填と計量を同時に行えるため、製品を計量する手間も削減され、生産性向上につながります。
機械によって高い精度で充填できるようになり、品質が安定化するのも大きなメリットです。大型の充填機の場合、人の手を介さないため衛生面も向上します。安全面・衛生面ともに一貫した品質管理が求められる食品では、食品安全規格に準拠したプロセスに基づいた製造が重視されます。品質を安定化させることで、大量生産にもつながります。
生産計画に基づき、かつ一定の品質を保った状態で製造できるため、安定供給につながります。高速で正確な充填が求められる現場においても、手作業による生産と比べて大量生産が可能です。製造現場を高い精度で稼働させ、安定供給を実現したいなら、液体充填機の導入は理にかなっていると言えます。
液体充填機の導入で充填プロセスを自動化することによって、人件費削減につながります。計量するプロセスも自動化すれば、さらに製造のコストパフォーマンスが向上するでしょう。充填の自動化は高速生産を可能にするほか、人為的ミスを減らすことにもつながります。それによって長期的なコストパフォーマンスの向上も期待できます。
手作業よりも生産効率が高まり、衛生面でのリスクも減らせる液体充填機。様々なメリットを得られる一方で、導入やメンテナンス、部品交換にはコストがかかります。導入時には、生産量に対してコストが見合うかを見極めたうえで検討することが大切です。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)