飲料や除菌剤、消毒液など、多くの身近な製品に使われているアルコール。アルコール容器に充填するとき、気をつけなくてはならないのがアルコール(エタノール)の持つ発火性や引火性です。
アルコールなどの引火性・発火性のある液体を充填する際には、発火のリスクが抑えられた安全性の高い充填機を選ばなくてはなりません。電気を使う機械で充填してしまうと、何らかの形でアルコールに引火したり発火したりしてしまう危険性があるからです。
アルコールを充填したい場面では、以下のような液体充填機を選びましょう。
アルコールなど引火性のある液体を工場や生産ラインで大量に扱う場合、機材を防爆仕様にする必要があります。液体充填機を選ぶ場合は、防爆仕様になっているかを確認しましょう。アルコール度数によっては、液体充填機だけでなくコンセントや照明など工場にある設備すべてを防爆対応にしなくてはならない場合もあります。
火花などが出て引火するおそれのある電気を使わず、空気だけで動くタイプの充填機がおすすめです。エアピストンタイプの充填機なら電気を使わないため、機械から火花がでる危険性がありません。エアーコンプレッサーを安全なエリアに設置してエアチューブで充填機とつなぎ、空気を送ることで液体を充填できます。
液体を下から吸い上げて充填できるタイプの充填機であれば、アルコールを充填する際に液だれを防止できます。ノズルの先端にストップ弁(シャット弁)を設けるのもおすすめです。充填中に発生する原料のムダや液だれのたびに生産ラインがストップする課題も解決します。
炭酸入りアルコール飲料の場合、充填時にポンプを使用することで圧力が変動し、泡立ちが起こる場合があります。充填速度を遅くする、アルコール液体の温度を低くするなど適切な対策ができれば泡立ちを抑えることが可能です。
充填するアルコールの度数によっては、特殊な機械や生産ラインに専門の設備が必要になる場合もあります。アルコールを充填するための液体充填機を探しているなら、消防法や防爆などの知識を持つ専門業者にアドバイスを受けながら選ぶことが大切です。
※各社公式HPの2021年9月時点での記載情報をもとに用途別に下記基準にて選定
工業用:危険物にも対応した防爆仕様で全自動・半自動充填機を取り扱う営業拠点数の最も多い会社(クボタ公式HP参照:https://scale.kubota.co.jp/fillingmachine/)
食品用:食品専門で外部の検査機関への菌検査依頼への対応を明記している会社(大阪屋公式HP参照:https://www.osaka-ya.com/quality/)
卓上用:小型充填機の導入実績5,000台以上を明記している会社(ナオミ公式HP参照:https://www.naomi.co.jp/strength/)