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液体充填機における温度管理

液体充填機の運用において、温度管理は重要な役割を果たします。特に食品や化粧品、薬品など、液体の充填が必要な製品では、温度が品質や生産効率に直接影響を与えるため、慎重な管理が必要です。ここでは、液体充填の温度管理について、その分類や影響、具体的な事例を紹介します。

充填温度の3種類

液体の充填温度には、主に以下の3種類があります。

  1. 低温充填:低温充填は、製品を高温で短時間殺菌した後に無菌環境で充填する方法です。この方法は主に乳製品やジュースなど、衛生面に配慮すべき製品に適しています。製品が外部の菌に触れることなく、品質を保ちながら包装できる点がメリットです。
  2. 常温充填:常温充填は、常温から80℃程度の温度で行われます。この方法は比較的安定した製品に向いており、特に食品以外にも広く利用されています。比較的コストが低く、設備のメンテナンスも容易な点が特徴です。
  3. 熱間充填(ホットパック):ホットパックでは、83℃から91℃程度の高温で充填が行われます。この方法は製品を殺菌するため、長期間の保存が必要な食品や飲料に使用されます。殺菌効果が高いため、保存期間が延びることが大きな利点です。

生産性への影響

液体充填機における温度管理は、生産性にも大きな影響を与えます。製品の温度が変化すると、粘度(液体の流れやすさ)が変わるため、適切な温度での充填が求められます。

これらの問題を解消するためには、充填速度やノズルの設計を改良する必要があります。また、温度が変化すると製品の比重(同じ体積の液体の重さ)が変わるため、容量式充填機では重量に差が出る可能性がある点にも注意しなければいけません。

高粘度製品の充填における課題

高粘度製品、例えばシャンプーやソースなどを充填する際には、温度管理が特に重要です。高粘度の液体は温度によって流動性が大きく変わるため、以下の点に注意が必要です。

粘度の変化

温度が高くなると粘度が低下し、液体がより流れやすくなります。しかし、品質維持のためには適正な温度を保つことが求められます。粘度が変わると充填量が不正確になり、液だれや糸引きが発生する場合があるため、ホッパーや充填ユニットに温度調節機能を持たせることが効果的です。

設備の最適化

製品の特性に応じて、温度を一定に保つ設備を選定することで、生産効率の向上が可能です。製品の温度が一定に保たれることで、充填作業がスムーズに進み、歩留まりが向上します。

冷凍食品向けの液体充填のポイント

冷凍食品の製造工程における液体充填では、製品特性に合わせた温度管理と充填方法が求められます。具体的な事例として、パスタ、フライ、ハンバーグ、麺スープの製造における充填方法を見ていきましょう。

パスタ類のオイル・ソース充填

冷凍パスタの製造では、まず麺をほぐしやすくするためにオイルを充填し、その後にソースを充填します。麺全体に均等にオイルが行き渡るようにするには細いノズルを使い、高速で流量を調整することが効果的です。一方、ソース充填では麺の形状を崩さないように、できるだけゆっくりと流し、見た目を美しく仕上げることがポイントです。

フライやハンバーグのソース充填

フライやハンバーグには、ソースを全面に均等にかけることが求められます。ソースの量が多すぎると食材との味のバランスが悪くなり、少なすぎると見栄えが悪くなるため、適切な量を維持しましょう。また、充填時にトレーが汚れないようにしなければいけません。

麺スープの充填

麺スープの充填では、液ハネを防ぐために、ノズルの口径や充填速度を調整します。容器の高さが低いため、液ハネが発生しやすい状況ですが、適切なノズルの選定と充填速度により、スムーズかつ高速な充填が可能になります。

まとめ

液体充填における温度管理は、製品の品質や生産性に直接的な影響を与えます。特に粘度が変化しやすい製品や冷凍食品の充填では、温度管理に気をつけましょう。適切な温度管理を行い、設備を最適化することで、効率的で高品質な製品を提供することが可能です。

温度管理の重要性を理解した対策を講じることで、充填作業の効率化と製品の品質向上を実現しましょう。

【用途別】おすすめ液体充填機メーカー3社
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